どんなに疲れていても
キミの声は元気をくれる。


「おかえり、風茉くん!」




しあわせのかたち。




「出張大変だったね、お疲れ様!」
俺が着替えをしている間にソファに座って俺の洗濯物をたたんでくれている、
彼女は咲十子。
恥ずかしながら俺、和久寺風茉の婚約者。
7つも年齢が離れてるケド、それでもかまわないと思ってくれた。


俺は社長という仕事柄、咲十子と長く離れるコトも多いけど、一日たりとも連絡を取らないことはない。



「疲れたよね?もうすぐお風呂の用意ができますってメイドさんが…」
「いや、大丈夫だ。」





俺の答えに彼女は「そうv」と微笑んだ。
ふんわりとした、この笑顔が好きだった。



いつものことなんだが、今日はまたいちだんと……



「楽しそうだな、何かいいことでもあったか?」
「えっ……う、うん……」






なんで分かったの??と不思議そうな咲十子。
そんなの、見てりゃわかるよ。



「どんないいコトがあった?」



咲十子の向かい側に腰掛け、いささか顔を近づけると、咲十子は照れたように笑って「あのね…。」と話し始める。



『今日は久しぶりにお天気で洗濯がたくさんできた。』
『ぽかぽか陽気で思わずうたたねしていた。』
『お向かいのおうちでこねこが生まれた。』


・・・・・・・・・







それはほんとに、他愛のないことだったけど。






「そっか、良かったな。」
「うん!」



知らぬうちに、俺の頬は緩んでいた。



「あれ、風茉くんも嬉しそう。何かいいコトあった??」



咲十子の問いに、





「咲十子が嬉しそうだったから。」


俺は間髪入れず答える。





「へ?」


咲十子は目をぱちくりさせている。


「大好きな人が幸せそうなのを見てると、俺も幸せになれるんだからな!」


みるみる咲十子の顔が紅く染まっていく。
いつもどきどきさせられてるのは俺なんだから。




・・・・・今日ぐらい、いいだろ??



「幸せをありがとな、咲十子v」 極めつけの笑顔で言ってやった。
耳まで真っ赤になった咲十子を見て、「勝った★」と感じた。


だけどこの後、俺は一瞬のうちにしてやられる。





「……でもね、風茉くん、私が今日一番嬉しかったコトはね……。」





天使の笑みの、彼女に。




『風茉くんが無事に帰ってきてくれて、こうして一緒にいられるコトだよ。』




あまりに眩しすぎて、




眩暈と、








「あれ…風茉くん、顔真っ赤……」




・・・・・・・やっぱりキミには敵わない。





年の差CP王道といえばこのおふたり(氷山の中で)。
だいすきです〜

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